ブエノスアイレスでエビータのお墓

アルゼンチンのイグアス空港からブエノスアイレスに向かいます。
ブラジルとアルゼンチンは石の産地として知られている。そのため、ホテルでもふんだんに大理石が使われていて、お風呂やトイレはとても優雅な雰囲気がある。とくにインカ・ローズと呼ばれるピンク色の石が有名。

イグアスの空港でも待ち時間があったので、ついお店にふらふらとさまよいこみ、ピンクのちっこいペンギンを買ってしまった。小さいくせに、けっこうなお値段でした。


私たちがリオを出たその日、大雨が降って大洪水になり、リオ周辺で大勢の死者が出たそうだ。
 
一方、空から見るブエノスアイレスはリオとは違って、平坦に広がり、緑が多い。大きな川はラプラタだろう。大雨のせいか、川の水は茶色く濁っている。空港のすぐ前はラプラタが横たわる。

幅の広い川で、対岸(ウルグアイ)は見えず。
「海みたいだねー」

風が強い。
飛行機が遅れたせいで、レストランへ行く時間がなくなり、バスのなかでサンドイッチとミネラルウォーターのランチ。機内食もサンドイッチと甘いお菓子のランチボックスだった。
「お味は、まあ、それなり?」フィー子えらそう。


まずエビータのお墓のあるレコレータ墓地へ。
  
日本でいえば青山墓地か谷中の墓地といったところか。ただしお墓がそれぞれ意匠をこらした霊廟になっている。小さな家が並んでいるようで、死者の住む町という感じ。霊廟は立派な大理石でできていて、天使や聖人の彫像、ステンドグラスなどで装飾されている。敷地はもう満杯で、新しく買うのはなかなか難しいとのこと。しかし、なかには手入れが行き届かないお墓もあり、壁が崩れて納骨堂の内部が覗けるような場所もあった。

エビータのお墓が観光の目玉になっている。墓標にエビータの顔のバスレリーフ(浅浮き彫り)が。
 
「泣かないで〜アルヘンティーナ〜」とつぜん、マドンナになりきって歌いだすフィー子。

「わたしの〜のお墓のまーえで〜泣かないでください〜」それ、歌がちがうから。


日本とちがうなーと思ったのは、天使や聖人、故人をかたどったようなリアルな彫像がお墓を飾っているところ。キリスト教の伝統というものかもしれないけど、あまりにリアルな悲哀の表現にはちょっとなじめない日本人である。
 
「フィー子も人生について考えちゃったよ!」人生というか……あんたは人形だけどね。
墓地の入り口に立つフィー子。人生について考えているようにはとても見えない!
 
薄紫のはジャカランダの花、ピンクの花はガイドさんいわく「酔っ払いの花」(これはたぶん沖縄にもたくさんあるトックリキワタだと思う)。