ポート・ロックロイ

深夜、いつのまにか船が停まっていて、デッキに出てみたら、正面に水路はなにもなく、行き止まりではないですか。これはてっきり座礁か……と思ったら、すでにポート・ロックロイに到着していたのでした。夏の南極は白夜です。

  

フィー子ペンギンも船の人たちにはすっかりおなじみになってきた。
  

「フィー子のこの横顔のラインが好き……っていう人が多いんだよね」
最後の上陸地点は、ポート・ロックロイ。
 
もともとは第二次大戦中にドイツのUボートの動向を探るため、イギリスが築いた通信基地だった。その後、一時期は無人のままに放置されていたのが、1960年代に修復され、現在は夏のあいだだけ観測隊員が駐在している。いまの駐在員4人は全員若い女性の研究者だそうだ。
 
基地の中も見学できる。赤いカーテンやチェックのテーブルクロスがかわいらしくて暖かな雰囲気。
 
お土産屋さんもある。ここの売り上げは南極歴史遺産基金に入るとのことで、みんないそいそとお買い物。
 
ここからも絵葉書を出しました。イギリスを経由して届けられるので、着くのは数か月後になるかも、だって。
「ちゃんと届くかな〜? 楽しみだなー」フィー子宛にも出しておけばよかったね。

ここでは小屋のすぐ前にペンギンがコロニーをつくっているので、どうしても人間と近づくことになる。島の半分は人間が立入禁止になっていて、どちらのペンギンの生存率が高いかという調査をしているんだって。結果はというと、人間が立ち入る区域のほうがペンギンの生存率は高いんだとか。捕食者のトウゾクカモメが人間をいやがって近づかないのが原因かもしれないけど、まだ調査中だそうです。
 
 
 
 
足元に雛を抱いているジェンツー・ペンギン