悪魔ののどぶえ

 
翌日はバスでアルゼンチン側の滝を見にゆく。

公園内を壁のない小さなトロッコ電車が走っている。さすがに観光地らしく、アルゼンチンやブラジル国内からも見物人が大勢。家族連れも多く、大きな水筒というか、ポットをもっている人が多い。ストローで飲んでいるそれは、かの有名なマテ茶であるらしい。コップとストロー付きスプーンがセットになっている。マテ茶ってアルゼンチンの生活に根付いているのね。日本の緑茶やほうじ茶という感じかな。


遊歩道にはハナグマが出現。食べ物をねだって観光客にまとわりつく。木の枝の上に登っているのや、子供をつれた親もいた。
「しましまシッポがかわいい!」
  
「そういえば、日本ではシッポのアクセサリーが流行してたね……」フィー子、よからぬことを考えている?


ロッコ電車の2つ目の駅まではジャングルのなかの小道を歩き、その駅から電車に乗って滝の入口まで行く。
 
画面右端に写っているのが現地ガイドのナベヤマさん。


駅からは川の上に渡された遊歩道をたどって、滝のいちばん奥の落ち口である「悪魔ののどぶえ」の真上まで行かれる。昨日、下から見たところを今度は上から見るわけだ。川の幅が広いし、流れる水の量がたっぷりと豊か。滝に至るまでは、静かな滔々とした流れだ。樹木や鳥などを見ながら歩く。よく晴れていて、真っ青な空に真っ白な雲が浮かんでいる。きれい。


「悪魔ののどぶえ」に近づくと、遠くからでも立ち上る白煙が見えてくる。滝から昇る水蒸気が真っ白な雲になって巻きあがり、風向きによって水しぶきが飛んでくる。


落下地点までの川のゆったりした静かな流れが突然の落差にぶつかって一気に変化し、激しく乱れてなだれ落ちる。その対比が驚くほどドラマチック。
「びしょ濡れになったら困るというので、フィー子は鞄のなかにしまわれちゃったよ!」


昼食はアルゼンチン側の国立公園内にあるアメリカ資本のシェラトン・ホテルで。
ランチは、前菜、メインのお肉、それにデザート。ビールも飲んだよ。
  
レストランから滝の水しぶきが見える立地のよさ。ツーリスト用のお土産ショップなどもあって、雰囲気はややカジュアル。ブラジル側のホテル・カタラタスのほうがおシャレな感じ。
ホテルの庭にいた鳥。遊歩道には、こんな看板も。